起業家支援に命を懸ける会計士の梅川さんの記事【所得税の最高税率は。】

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お早うございます。

起業家支援に命を懸ける会計士の梅川です。

現在の所得税の最高税率は、45%(課税所得4,000万円超に対して)です。

税率の変遷を見ると、その時代背景を反映していることがよくわかります。

戦後直後の最高税率は、85%。

これに住民税が加わるのですから「懲罰的」な税率といえます。

戦後GHQの指導部には社会主義的な思想を持った人が多くいました。

財産税の創設など富裕層から多くの税金を徴収して富の偏在を減らそうとしていたようです。

農地改革もその一環です。

最高税率は、1974年に75%に。

その後は徐々に下げられ、1989年には50%(2,000万円超)になります。

確かに戦後日本の税制は、相続税の高い税率と相まって富の偏在をなくしました。

近年「格差社会」と言われますが、欧米に比べれば財産的には日本はとても「平等」です。

戦後直後の日本にも社会主義化の動きがあったようです。

しかし、現実として社会主義化しなかった大きな理由は、農地改革により土地持ちの「中産階級」が増えたこと、

そして、お金持ちには厳しい税制です。

しかし、1989年を境に所得税率はさらに下げられ2000年には、37%になりました。

ソ連をはじめとする社会主義国家の破たんがひとつの原因と言われています。

もはや「資本家」を攻撃して社会主義化を目指す人々はいなくなった。

資本主義の勝利は、誰にも気兼ねなく「自由主義的」政策を容認させました。

お金持ちが「自由に」お金儲けできる時代の到来ということでしょうか。

ところで、日本では2007年から最低税率も10%から5%(所得195万円以下)に引き下げられました。

時代背景には非正規労働者の割合の増加があります。

低所得者層に対する配慮から、と言われています。

ちなみに、家族構成にもよりますが、年収500万円の給与所得者でも税率は最低税率の5%です(給与所得控除154万円、社会保険料控除68万円、基礎控除38万円、扶養控除76万円、課税所得164万円)。

日本人の平均年収は、500万円くらいといいますから、単純に国民の二人に一人が最低税率分しか税金を払っていないということです。

たしかに最高税率を上げるとお金持ちは海外に逃げてしまうかもしれない。

かといってほとんどの日本人が5%の所得税というのはどのようなものでしょうか。

今日もお読みいただきありがとうございました。

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2016-05-12 | Posted in blogNo Comments »