マンションコミュニティ研究会代表 廣田信子さんの記事【マンション民泊、鍵をめぐる攻防(2)】

■ マンション民泊、鍵をめぐる攻防(2)


こんにちは!廣田信子です。

マンション民泊で、どうっやって鍵を受け渡しているのか、
気になりませんか?

オートロックがないマンションは比較的に簡単です。
これは、不動産仲介業者等が以前からよく使っていた方法で、

メーターボックスの中等の目立たたない固定できるところに
キーボックスを取り付けて、
その中に鍵を入れておくという方法があります。

で、キーボックスの暗証番号をゲストに教えればいいのです。


では、エントランスのオートロックはどう突破するか…です。

入口のオートロックが暗証番号で開くのであれば、
その番号を教えればいいので簡単です。

でもこれじゃ、セキュリティも何もあったもんじゃないですよね。

すごい話になると、
マンションの共用部分の目立たないところに、
キーボックスを取り付けて、そこに鍵を入れているケースもあるといいます。

エントランス付近で不審なキーボックスを見つけたら、
「民泊を疑え」です。

共用部分に勝手に私物を取り付けることは違反ですが、
そのことも具体的に使用細則に書いておいた方がいいということです。

古典的な方法として、メールボックスを鍵の引き渡しに使うという
方法があります。

ダイヤルがついている取り出し口がセキュリティの外であれば、
メールボックスの中に鍵を入れて、ダイヤル番号を教えることで、
かんたんに鍵の受け渡しができてしまいます。

昔、息子がカギを忘れて出かけてしまったというときに、
この方法よく使ったな~。

ただし、オートロックのマンションでは、
メールボックスの投函口はセキュリティの外でも、
取りだし口は、セキュリティ内というものの方が多いです。

すなわち、エントランスを突破できなければ、
メールボックスの取り出し口に到達できないのです。

その場合でも、メールボックスの裏側の投函口は、
たいてい、郵便配達の人が投函できるように、
外から入れるようになっています。

投函口は郵便が入るぐらいの隙間なので、
そこから手を中に入れて中のものを取り出すことはできませんが、

鍵に糸をつけて、その糸を取り出し口の外まで伸ばして固定しておいて
ゲストはその糸を手繰って鍵を入手するという方法を
とっている場合もあるといいます。

なんだか綱渡りのようなやり方ですね。
ですから、メールボックス付近であやしい行動をとっている人がいたら
それも、「民泊を疑え」です。


最近は、もっと進んで、
ドアの内側のサムターンにとりつけることで、
スマホからの信号でドアを開けることができる
スマートロックなるものも出てきています。

これは、貸会議室等で、鍵の引き渡しがいらないということで
紹介されていて、
これ、管理組合でも集会室等の鍵の管理にいいかも…
と思っていたら、

今は、民泊対応商品として大々的に宣伝されています。

いろいろなところに民泊ビジネスが広がって
留まる気配がありません。


飯田さんの体験では、
部屋は施錠されておらず、部屋の中のテーブルに
鍵が置いてあったといいます。

鍵の受け渡しがうまくいかなかいことが
一番トラブルになりますから、
それを避けるための究極の方法とも言えます。

考えてみると、中にゲストがいない場合は、
そこに貴重品もないので、割り切っているのでしょう。

オートロックのエントランス突破、鍵の引き渡しについては、
民泊の肝ですから、
これからも様々な商品やシステムが出てきて、
管理組合との攻防が続きそうです。

近くのコンビニでスマホの中のQRコード示して受けとれるなんて
サービス始まりそう…と瞬間思いました。

書いていて、なんか、そこまでして民泊に泊りたいかな~と
思っちゃいました。

しかし、民泊はとまらないと思います。

民泊を防ぎたいと思ったら、相手の手の内を知って、
次々出てくる手に対応していかなければなりません。

2016-03-14 | Posted in blogNo Comments »