株式会社オフィス・オウさんの記事【週刊・中国情報:2015/10/19】

【週刊・中国情報:2015/10/19】
● 花王、ネット通販で天猫国際と提携!
10/13、杭州西渓園区にあるアリババ本部で行われた「2015年双 11(11/11:中国の独身の日)世界祭 りスタート祭」の現場で、花王株式会社が「天猫国際」と戦略提携を結ぶことを発表した。 花王はeコマースの海外輸出モデル戦略で中国市場に入り、“紙おむつ”や“母子用品”を全面的に売り出 す。 これまで花王の紙おむつは、中国の母親たちに絶大な人気を誇る輸入製品であり、中国の輸入紙 おむつ市場において絶対的な優勢を誇っていた。 中国市場を長年研究した後、同社は今回天猫国際を 通じ、高品質で信頼の高い日本産紙おむつなどの母子用品を直接中国の巨大消費市場で売り出す。 花王によると、「中国政府とアリババグループは積極的に内需を拡大しており、国際貿易で新しい波を作 っている。花王は、アリババグループと提携することにより、中国消費者に高品質な商品とサービスを提 供したい」としている。

● TPP大筋合意への、中国政府の反応!
国家発展改革委員会対外経済研究所国際経済合作室の“張建平”主任は「中国は現在、世界最大の物 品貿易国になっており、世界市場におけるシェアは12.0%に達した。 中国はTPPの3分の2の加盟国と は2国間FTAを締結した。 ある程度は、TPPがもたらすマイナスの影響を相殺することができる。 更に、 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)には ASEAN10ヵ国・中国・日本・韓国・オーストラリア・シンガポー ル・インドの16ヵ国が含まれており、この巨大な自由貿易区を設立できれば、一定程度はTPPがもたらす 中国貿易への影響などを相殺することもできる」としていると、10/8の証券時報が伝えている。 同じく10/8の国際在線でも、中国国際問題研究院の“阮宗澤”副院長は「第1に、我々は世界の十数ヵ 国と既にFTAを締結あるいは交渉中だが、引続き2国間・多国間のFTAを推進し、複雑な影響に対応す る能力を高めるべきだ。 第2に、FTAAPの実現に向けた交渉を加速すべきだ。 当地域にはTPP、 RCEP、ASEAN+1FTA などがあるので、FTAAPという大きな枠組みでこれらのメカニズムを統合する。 これがアジア太平洋地域の経済統合発展の最も重要な方向だ」と、将来的にはより大きな枠組みであるF TAAPを実現することの重要性に言及している。

● 中国の定年退職、世界一若い55歳!
中国人力資源・社会保障部(人社部)の“尹蔚民”部長は10/14、「第12次五カ年計画(2011~2015)」以 降の就業・社会保障事業の進展状況について紹介を行い、中国は現在、平均定年退職年齢は55歳未 満と、世界で最も若い国家であることを明らかにした。 人社部は、中国共産党中央委員会の認可を経て、定年退職年齢の引上げに関する改革案を社会に公開 し、毎年数ヵ月単位の引上げを実施し、合理性のある定年退職年齢を実現させる方針だとしている。 中国は現在、60歳以上の高齢者人口は2億1千万人と、総人口の15.5%を占めるに至り、60歳以上の 高齢者人口の割合は、2020年に19.3%、2050年には38.6%に達する見通しで、この予測は、中国 の高齢者事業と高齢者医療に大きな影響をもたらしている。 現在の定年退職制度は、新中国成立後の1950年代初めに定められたもので、当時の推定平均寿命は 50歳未満だった。 建国から60年あまり国情にも巨大な変化が起こり、推定平均寿命は70歳を上回っ たが、中国の退職制度は改正されていないままだ。 中国では、企業年金に加入している退職者は8千万 人を上回る一方で、平均定年退職年齢は55歳未満であるという状況は、明らかに不合理だといえる。 これに対し世界各国の定年退職年齢は、アフリカの一部の国を除き、殆どが65歳あるいは67歳で、段 階的に引き上げられている。 改革案は、党中央の認可を得た後、社会に公開する予定になっているが、 これは予告であり、数年後に実施をスタートし、徐々に合理的な退職年齢に引き上げていくとしている。

● 人民元の準備通貨入り、一歩前進か!
国際通貨基金(IMF)が人民元を国際準備資産特別引出権(SDR)の通貨バスケットに採用することを検討 しているが、IMFのスタッフが予想外に不採用を提議しない限り、米国などの支持を得られる可能性が高 くなっている。 ただし、技術的な問題などもあり、IMF内部は緊迫した空気に包まれているという。

2015-10-29 | Posted in blogNo Comments »