株式会社オフィスオウ取締役会長:小川 正さんの記事【週刊・中国情報:2015/02/02】

【週刊・中国情報:2015/02/02】

● 香港と広東省の「サービス貿易自由化協定」に調印!

2015/03/0から施行される。 香港と中国本土間の自由貿易協定としては、香港の財・サービスを 中国本土に開放しようと、2003年に締結し、ほぼ毎年にわたり改定・拡大を続けてきた CEPA が存在 するが、本協定は、市場開放する産業をサービス業に限定し、市場開放する地域も香港に隣接する 広東省に限定して、CEPA を一層拡大・深化させる新たな自由貿易協定だ。 「(香港企業が広東省に設置した)業務上の拠点を通じたサービス提供」を行う場合には、58種のサ ービス業が完全に香港企業に市場開放され、中国本土企業と同等の待遇を得られることとなった。 この施策に関しては、香港企業が広東省において会社を設立しやすくするため、所管官庁による会社 設立の事前認可制度を廃止し、届け出のみで足りることとする制度改正も行うとしている。

(1)銀行・(2)法律事務所・(3)娯楽施設 本協定は、2015年内に香港・中国本土間の全面的なサービス貿易の自由化を実現するモデルだ。

● タオバオショック、アリババ株が暴落!

タオバオは2014年、各地の公安局に対してサイト上の模倣品情報を提供、これを受けて各地の公安 局は模倣品の製造・販売拠点を取り締まった。 北京時間1/29(水)未明、アリババ(阿里巴巴)の株価が4.36%下落し98.45$をつけ、時価総額 が110億$蒸発した。 同社が運営するB2Bサイト「タオバオ」と中国国家工商行政管理総局のネッ ト通販商品を巡る争いが、各界から注目されている。 同局は1/28に「アリババ・グループに対する行政指導活動の状況に関する白書」を発表し、アリババ のネット通販サイトの店舗開設者に対する審査に不備があり、商品情報に対する検査が不十分で、販 売行為の管理に乱れがあるといった5大問題を指摘した。 模倣品の製造・販売業者の9割近くは中国全土の10地域に集中し、上位3地域は広東省の珠江デル タ・華東地域である長江デルタ・福建省など東南沿海地域となっている。 模倣品は「アパレル・化粧品・靴・日用品・装飾品・腕時計・デジタル製品・バッグ・スポーツ・アウトドア 用品・音楽映像」など。 装飾品・腕時計の取り締まり案件の6割以上が華南地域、スポーツ・アウトド ア用品では6割以上が東南沿海地域、アパレル品は5割以上が華東地域に集中していた。

● 中国・深圳、不動産売買停止広がる!

深圳市(中国広東省)で不動産の売買停止の動きが広がっている。 反腐敗を目的にした汚職調査の 結果を受け、市当局は不動産企業約30社に対し、市内での売買停止を命じためで、その規模はすで に2万戸に達しているという。 当地では、深圳市の幹部と不動産の開発業者との癒着・腐敗が問題視 されており、不動産の売買停止措置の動きが広がっている。 業界の予測によると、売買停止措置が 今後さらに拡大すれば、不動産企業は資金調達に陥るリスクがあるとしている。 今回の動きは、深圳で不動産首位の「佳兆業集団」が昨年11月末に当局から、深圳で2000戸の販 売停止を命じられたことから端を発している。 その後、「佳兆業」はドル建て社債の利払いができず資 金繰りは急速に悪化している。

● 中国の不動産市況、大都市で持直し!

中国景気を左右する不動産市況は、北京や上海など一部の大都市では持ち直しの兆しが出てきてお り、2015年は地方都市との二極化が進みそうだ。 年明け早々、北京では過去最高価格での土地の 落札を意味する「地王」が誕生、国有企業による市南部の住宅用地の落札額は86億元を超えた。 実際の販売時の価格は1平方メートル当たり6万元に達するとみられ、現在の相場より1割以上も高 い。 現地では古くからあった老朽家屋の撤去が進み、付近の地下鉄駅の周りは高層マンションが建 設中だ。 しかし、北京のような活況は全国でも例外で、地方都市では地元の不動産仲介業者が倒産し、町中に はシャッターを閉じた店舗がいくつも残されているという。

2015-02-05 | Posted in blogNo Comments »