株式会社オフィス・オウさんの記事【週刊・中国情報:2015/08/24】
● 日本の子供服各社、中国で販売攻勢!
日本の子供服各社が、中国市場の開拓を進めている。 「ミキハウスの三起商行(大阪府八尾市)」は8/25、中国のアリババ集団の仮想商店街に出店する。 日本の子供服ブランドは品質の高さなどで中国では人気があり、中間所得層の増加で目先の景気にも、 左右されにくいと見て販売攻勢に出る。 「三起商行」はグループ会社のブランド“ミキハウス・ホットビスケ ッツ”の商品を、アリババの「天猫国際(Tモール・グローバル)」で発売する。 同社が中国でネット販売を するのは初めてで、初年度5億円の売上を目指す。 Tシャツや靴など約50種類を揃えて、輸送費の上乗 せなどで日本の約1.7倍の価格で販売する。 同社は中国で百貨店など約15店に卸しており、直営店を 持たず、低コストのネット通販で店舗の無い地域の消費者に売り込むという。 「F・O・インターナショナル(神戸市)」も中国の店舗数を1.6倍に増やす。 中国でもSCを中心に出店を加 速させ、8/20に内陸部の西安市に1号店を出し、上海や南京といった都市部に店舗網を広げる。 英調査会社ユーロモニターによると、中国の子供服市場は2014年で約2.1兆円。 2018年に3兆円を 超す見通しだという。
● パナソニックは、空気清浄機の5割を日本国内生産に!
パナソニックは8/19、日本で販売している空気清浄機の5割を2015年中に国内生産に切り替えると発 表した。 従来は大半を人件費の安い中国の工場で生産していたが、円安の長期化に伴って為替リスク を軽減する狙いもあり、また日本製の高品質をアピールし、中国など海外向けの生産を増やす狙いもあ る。 空気清浄機を国内で自社生産するのはほぼ10年ぶりで、これまでは生産量の約9割を中国広東省 の工場で、残る1割を日本国内の協力工場で生産していた。 同社はこの程、換気扇などを生産する愛知県春日井市の工場で空気清浄機の専用ラインを稼働させた。 2016年3月期は一日・500台程度を生産し、今後、数億円程度を投じて生産能力を約4割引き上げると いう。 新たに稼働したラインは工程の効率化で出荷までの期間を、中国生産に比べて4割短縮。 部品 点数や人件費も大幅に減らした。 生産効率を高めた国内のラインを利用することで、年間2億~3億円 程度のコスト削減を見込んでいる。 同社推計では世界市場は、2018年に2014年比で2割増の1600万台に増える見通しで、日本生産の 高品質を中国など海外にもアピールして輸出拡大につなげる計画だという。
● 日本、訪日客急増で改善策に着手!
今年1~6月、成田空港で国際線を利用した外国人の数が初めて600万人を超え、前年同期比25%増 の約618万人に達した。 それに対し、国際線を利用した日本人は12%減って、約611万人となり、初め て外国人の数が日本人を上回っている。 訪日外国人観光客の増加に伴い、日本の国際空港は、各サー ビスの充実を図っており、特に、外国語での交通情報サービスを強化している。 7/30、成田国際空港は、目的地までの最適なアクセス手段を検索できる交通アクセス情報総合ナビゲ ーション・デジタルサイネージを設置した。 日本の総務省は先月、2016年度から「Suica(スイカ)」や 「PASMO(パスモ)」などの乗車カードを、訪日客の観光案内に使う取り組みを始めることを決めた。 各国の言語で目的地への、道筋などが示されるという。 日本の国土交通省も先月、訪日客の利便性を向上させるべく、物流業者や鉄道・バス事業者などが提供 する荷物預かり・配送サービスについて、サービス拠点計47ヵ所で、共通の「手ぶら観光」の運用を開始 した。 訪日客は、スーツケースや免税店で買ったお土産などを預けたり、宿泊先や次の目的地にまで送 ってもらったりすることができるという。 今年1~6月期、東京都内のホテルの稼働率は86.3%に達し、大阪に至っては89.8%だった。 稼働率 が85%を超えると、人手不足となり、サービスのクオリティが下がるとされている。 デベロッパーは、限られたコストで訪日客の受け入れ能力を向上させる方法を編み出そうと躍起になって おり、「オフィスビルをホテルに改造するのが、現在のホテルの需要を満たす理想的な方法」としている。