株式会社オフィス オウ 取締役会長:小川 正さんの記事【週刊・中国情報:2014/12/15】

【週刊・中国情報:2014/12/15】

● スタバ、中国で18時間に1店舗開設へ!

米国のコーヒーチェーン・スターバックスはこのほど発表した5ヵ年計画で、利益を上げている地域で店 舗の開設ペースを加速させ、市場・ルート・店舗デザインを世界へ拡大するとの方針を明らかにした。 この2019年を区切りとする計画には、企業全体の営業収入を2014年度の160億ドルから2019年 は300億ドルに引き上げる事や、世界全体の店舗数を3万店以上に増やすと発表されている。 そのなかで中国は、スターバックスにとって最も急速に成長する市場となっているという。 中国エリアの“王静瑛”総裁は、「スターバックスは昨年、一日あたり平均1店舗を開設し、今後の1店 舗開設は18時間に縮めて、12月末までに中国の店舗は1500店に達する見込みで、2019年まで に倍増させて3400店舗とする事が目標だ」と話している。 同社は中国進出から16年が経ち、現在は84都市に1400店舗を開設、従業員数は2万5千人に達 し、1週間あたりの取引件数は300万件に上っている。

● 中国自由貿易区、上海の次は天津か!

中国中央政治局は12/5の会議に、自由貿易区戦略の実施を加速し、開放型の経済新体制の構築 を急ぐとする意見を提出した。 意見には、中国が「一帯一路(陸と海のシルクロード経済帯)」の沿岸 国・地域と自由貿易区を建設する案が盛り込まれており、世界をつなぐ経済回廊として、[中国―シン ガポール]・[新ユーラシア]・[中国―イラン―トルコ]などの具体策も記されている。 現在世界の自由貿易区には、米国を中心とする北米自由貿易区と、ドイツを中心とするユーロ貿易区、 中国を中心とする中国―アセアン自由貿易区があり、三大勢力が対立状態となっている。 今後は中国とその他の国との自由貿易区交渉が加速することから、世界の貿易地図は“小国対立の 春秋時代”から、“強国による統合の戦国時代”に入っていくと見る専門家もいる。 今後、最も有望と見られている地域は、[天津市]・[広東・香港・マカオ地区]・[福建省]の3ヶ所で、これ らは位置付けが異なるほか、自由貿易区を設立することで国内加工貿易から国際的な貿易技術サー ビスへのモデルチェンジを促進できる利点があるという。

● 韓国、日・中観光客の消費が逆転!

韓国新世界百貨店の発表によると、今年の韓国での中国人VIP客の消費額は1人あたり300万ウォ ン(約32万円)に達したという。 一方、日本人観光客の消費額は1人あたり80~90万ウォン(約9万 円)と、中国人の3分の1にも及ばなかった。 4年前の時点では、中国人観光客と日本人観光客の韓国での消費額は、それほど差がなかったが、 今では中国人観光客と日本人観光客の消費額は明らかに「逆転」したという。 報道によると、韓国を訪れる中国人VIP客は増加の一途を辿り、1人あたり消費額は、2年前から倍増、 これに対し、日本のVIP客の1人あたり消費額は、2年前の半減近くまで落ち込んだ。 中国人観光客が韓国で買うのは主に贅沢品であるのに対し、日本人観光客は生活必需品を主に購 入していることが、この要因と考えられている。

● アジア圏のカジノ、開業ラッシュに影!

2010年に2ヵ所のカジノ付設型総合リゾート(IR)が開業して以降、シンガポールを訪れる外国人数が 4年連続で史上最高を更したシンガポールだが、2014年に入り外国人来訪者数は一転、前年比でマ イナスに転じている。 特に中国人観光客が格安ツアーに対する規制などの影響で大きく減少しており、 IRの業績にも影を落としている。 「観光立国」シンガポールを取り巻く状況は、厳しいようです。 売上高の約8割を占めるカジノ部門は8.7%減だった。 カジノ収入の落ち込みは、同収入の約半分に 達するVIP客が33.8%減少したためだ。 VIP客の大半は中国からの来訪者とされており、中国政府 の最近の汚職取り締まり強化で国外への資金持ち出しが難しくなっていることが影響しているもようだ。 フィリピンでは2014年中に3ヵ所で大型IRが開業するほか、マカオでも新たなカジノが開業する予定。 2020年までに、スリランカ・ベトナム・カンボジア・韓国・ロシア・オーストラリアでも、新しいカジノの開 業が計画されている。

2014-12-22 | Posted in blogNo Comments »