Hopewill Group Japan株式会社さんの記事【イスラム&MENASA市場】 ~ASEAN、BRICSに続く次なる巨大市場~

【イスラム&MENASA市場】 ~ASEAN、BRICSに続く次なる巨大市場~

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「イスラム&MENASA市場」は、今後ますます注目を集める地域のイスラム市場、
ME(Middle East) 、NA(North Africa)、SA(South Asia) 市場について、様々な観点
から情報を発信して参ります。
このマガジンを通して、少しでも「イスラム」「MENASA」というキーワードが皆様に
とって身近なものとなりましたら幸いです。
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<1>17億人のマーケット!イスラム圏ってどんなところ?

第1回 ブルネイ特集
世界人口の1/4を占めるイスラム教徒。全世界のムスリムの約60%がアジア太平洋地
域に集中している。このコーナーでは、アジアのイスラムの国をピックアップし、そ
の国の基本概要から、経済・政治・文化に関する最新情報をお届けする。
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豊かな自然と天然資源に囲まれた島国、ブルネイ。なんとその国土開発率は約15%
で、国土の多くは手つかずの原生熱帯雨林となっている。今回は、経済成長を続ける
ブルネイを取り上げ、その経済状況、日本との関わり、ハラル市場についてお伝えす
る。

●概要
ボルネオ島の北東に位置するブルネイ。正式名称は、「ブルネイ・ダルサラーム」と
言い、「永遠に平和な国」という意味を持つ。面積は約5,800㎢で、三重県と
同じ程の大きさである。人口は約43万人で、国教をイスラム教としている。国民は敬
虔なイスラム教徒であると知られ、スルタン(宗教的権威)と呼ばれるハサナル・ボ
ルキア国王が治める立憲君主制の国である。

●経済
LNGの対日輸出において、1割のシェアを握るブルネイだが、長い間依存してきた石
油と天然ガス輸出から脱却しようと、その経済多角化の努力を続けている。国内総生
産(GDP)の7割を占めるガス、石油はいずれ生産が減退することが見込まれてお
り、同国では、ブルネイ経済開発委員会と産業一次資源省(MIPR)が提供する様々な
投資優遇措置を通じ、国内経済への外国投資を奨励している。2001年に設立されたブ
ルネイ経済開発委員会(BEDB)は、新しい産業や経済活動の活性化のために、投資家向
けに様々な優遇策を提供している。
その努力の結果、国内のビジネス環境は徐々に改善されて来ている。2013年度に世界
銀行が発表したビジネスインデックスでは、前年度の83位から79位へと順位を上げ
た。ブルネイ政府は、海外からの投資を後押しするために、今後よりいっそう外資企
業に門戸を開く事を目指している。

●ブルネイと日本の関わり
資源国として有名なブルネイが産出するLNGの最大の輸出先は日本である。東日本大
震災の際には、LNGの追加供給を行うなど、親日的な国としても知られている。
ブルネイは外交政策として、ASEANの結束と強化を柱としており、2013年には、ASEAN
議長国を務めた。日本とも幅広い経済関係の強化を目指し、2007年6月のボルキア国
王訪日時に、「日・ブルネイ経済連携協定(EPA)」に署名した。この協定では、往
復貿易額の約99.9%を10年以内に関税撤廃することを目指している。2009年12月に
は、両国間の経済的交流、人的交流等に伴って発生する国際的二重課税の回避を目的
とした「日・ブルネイ租税協定」が発行された。
2014年は、日本とブルネイの外交関係樹立30周年にあたる。記念すべき年のスタート
に先立ち、2013年12月に東京で開催された日・ブルネイ首脳会談後の共同記者発表で
は、安倍首相とボルキア国王が友好30周年を記念したロゴマークを発表した。このロ
ゴマークには、ブルネイの国花である「シンプール」と日本の桜が交わり合ったデザ
インが採用された。

●ハラル産業
マレーシアは、政府が直接ハラル認証期間を持つことで有名であるが、ブルネイも宗
教証が直接の認証期間となり、国内・国外の事業者にハラル認証を付与している。
従って、その審査基準は他国の民間審査機関よりも厳格であるとされており、世界の
ハラル市場でも高い信頼性を保っている。
ブルネイ国内のハラル市場として、ほとんどの商品は輸入品であり、その製品に付与
されているハラル認証のほとんどが、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン
等のものである。その理由として、ブルネイの国内製造業が未発達であり、ブルネイ
国内にて生産された商品が少ないことが挙げられる。
ブルネイ政府は、石油関連産業からの脱却戦略の一環として、ハラル産業に注目し
ている。具体的には、薬品、食品、化粧品の民生品製造業をピックアップし、それぞ
れにブルネイ国のハラルガイドラインを設置した。同時に、外国からの企業誘致によ
る技術導入、産業育成を推進し、国内のハラル産業の活性化を図った。
ブルネイのハラル認証取得方法として、ブルネイ国内にて製造されたものは、直接
ブルネイの宗教証へ申請する事が出来るが、その一方で国外製造品に関しては、
Wafirah HDが一括して管理しており、その食品部門であるGhanim International
Food Corporation SDN BHD(Ghanim社)を通じて申請をしなければならない。Ghanim社
を通じてハラル認証を取得した商品には、製造会社の社名やロゴマーク等の情報を付
与して流通させることができず、全ての商品はブルネイハラル商標として取り扱われ
る。

 

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2014-12-18 | Posted in blogNo Comments »