株式会社オフィスオウ取締役会長:小川 正さんの記事【正の中国情報:2016/01/13】
【正の中国情報:2016/01/13】 <363号>
● 中国フィンテック利用、米国を超える!
中国ではクレジットカードを使わず、レストランでの割り勘、タクシーから宅配・テイクアウトに至るさまざま なサービスの決済を、全てスマホアプリで処理する人が増えており、一般的なスマートフォンがキャッシュ レスでの取引や銀行振替・融資・投資ができるプラットフォームに変身している。 「フィンテック(FinTech)」とは金融ファイナンスとITを融合させた造語で、中国での利用範囲は米国で一般 的に見られるレベルをはるかに超越している。 昨年は、中国の全人口の4分の1近くがオンライン決済を利用したが、これは米国の総人口よりも多い。 昨年の中国におけるモバイル決済総額は2130億米ドルに上り、米国の1635億米ドルを上回っている。 中国の電子決済サービス最大手はアリババグループ傘下の「支付宝」(アリペイ)で、ユーザー数は4億 人に上っており、世界の決済プラットフォームに比べると、この数字は目を見張るものがあるという。 インターネット企業はスマホにオンライン専用の銀行口座を開くようユーザーに促し、自撮り写真で本人確 認を行う。 米金融大手モルガン・スタンレーによると、オンラインネットワークを通じて資金の貸し手と借り 手を結びつける「ピアツーピア(P2P)融資」では、中国における融資額が332億米ドルに迫っているという。 これは米国を43%上回るばかりか、今後2年で融資規模が今の3倍になる可能性があるという。 中国の消費者は近い将来、スマホで自動車や保険を購入するようになるかも知れないと予測されている が、インターネット金融がどのくらい広範囲に利用されているかについては、中国は世界の他の国よりは るか先を行っているのが現状だ。 中国のインターネット大手は、次の段階としてネット専業銀行の開設を 計画しているという。
● 中国、昨年敷設した鉄道は9 千キロ!
中国鉄道総公司によると、海南島を一周する環島高速鉄道の全線開通に伴い、2015年の鉄道建設が すべて完了した。 今年の中国の鉄道固定資産投資は8200億元、新たに敷設した鉄道の営業距離は9 千km、新規着工プロジェクトは61件で中国の鉄道営業距離は12万キロを上回り、世界2位となった。 う ち、高速鉄道は1万9千キロで世界一となっている。 鉄道への投資は勢いを保っており、鉄道建設に必 要な資金はすべて調達され、一連のプロジェクトが無事に着工・実施された。 年末、中国北西部では、北疆鉄道の重要な一部分となる全長420キロの新疆阿勒泰(アルタイ)~富藴 (フーユン)~准東鉄道が着工した。 また、南西部では総延長508キロの雲南省玉渓~磨憨鉄道が着 工、アジア横断鉄道と中国・ラオス国際鉄道の重要な一部分が開通した。
● 中国株、「サーキットブレーカー」発動!
2016年の初取引となった1/4、導入されたばかりのA株のサーキットブレーカー制度が発動した。 基準指数であるCSI300指数が7%下落したためで、同日午後1時33分からすべての株価指数および 株価指数先物の取引が終日停止された。 これに伴い、上海と深圳の両証券取引所で大量の株がストップ安になる局面が再び現れた。 サーキットブレーカーは自動取引停止装置で、株価指数が一定の変動幅に達した場合、取引所がリスク をコントロールするために発動する取引停止の措置だ。 具体的には、株価がストップ高あるいはストップ安の値幅制限に達する前にサーキットブレーカーの発動 基準となる変動幅を設定し、しばらくの間はこの基準の範囲内でのみ取引を行うという規定で、昨年の12 月4日に関連規定が発表されている。 変動幅が5%に達した場合、中国のすべての株価指数および株 価指数先物が15分間取引を停止し、7%に達した場合、その日の取引は終日停止する仕組み。
● 浦東空港、世界最大のサテライトに!
上海浦東国際空港のサテライト第三期拡張建設プロジェクトが、12/29から全面的に開始した。 今回の拡張建設プロジェクトは2つに連なったサテライト(S1 と S2)からなり、年間許容旅客数は延べ380 0万人、2019年の完成後は浦東空港の年間許容旅客能力は延べ8000万人、総投資額は約206億元 になる。