起業家支援に命を懸ける会計士の梅川さんの記事【キリンビール高知支店の奇跡】

お早うございます。

起業家支援に命を懸ける会計士の梅川です。

「キリンビール高知支店の奇跡」という本が本屋に平積みされていました。

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ビール党の私は、タイトルだけを見て思わず買ってしまいました。

書かれている内容は、失礼ながら「目からうろこ」というほどのことではありません。

大企業病に陥ってしまった会社をどう活性化させ甦らせるか、の生きた教科書です。

同時に著者の出世物語でもあります。

歴史上の偉人伝に限らず、成功ストーリーには胸躍るものがありますね。

それはともかく。

かつてキリンビールは巨人でした(今でも)。

何しろ、ビールの国内シェアが60%を超えてしまい、公正取引委員会から独占禁止法違反の嫌疑をかけられたくらいです。

当時、営業は売り込みをしてはいけないという指示がでたそうです

こうなればもはや殿様商売です。

だれも営業などやらないし、革新的な新商品の開発も行われません

しかし、1987年、そこに強敵「スーパードライ」が現れます。

平和ボケしていたキリンビールは、対抗するすべを知らずシェアはどんどん食われます。

ついに2001年、60%あったシェアは40%を割り込み国内首位の座もアサヒビールに明け渡します。

1995年に高知支店長に就任(左遷だったらしい)した著者は、スーパードライに奪われたシェアを奪回すべく経営手腕を発揮します。

次々に繰り出す著者の営業手法は功を奏し、高知県でシェア奪回に成功。

続いて四国エリアの営業本部長として四国全県を制覇。

最後は代表取締役副社長兼営業本部長として辣腕をふるいついに、2009年にアサヒビールに奪われていた首位奪還に成功します。

指導した営業戦略は、

会議を廃止する(それまでは、会議を行うことが仕事だった)。

本社向けの活動やレポートは無視する(末端の社員はお客に向かわず、本社を相手に営業していた)。

営業マンに対して、明快かつ具体的な指示を1000回出し続ける(営業マンの愚直で徹底した活動が成果を生むとしている)。

その他、結果にこだわる、基本を徹底する、戦略・戦術は変えても基本方針は変えない。

などの参考となる実践が紹介されています。

本書によれば、キリンビールの首位奪回の戦略もわかりますが、アサヒビールがどのようにキリンビールの牙城を崩したかもわかります。

スーパードライという画期的な商品開発に成功したから。

は、一面でしかありません。

私も同感ですが、お酒好きであっても、ジョッキに注がれた生ビールを一口飲んで、それがスーパードライか、キリン一番搾りか、サッポロ生か、一発ですべて当てられる人はほとんどいないそうです。

ビールは典型的なイメージ商品。

ほとんどの人はビールを選ぶときに、美味しそう、売れているから、元気がよさそうなどの雰囲気で選びます。

スーパードライは、キレとコクというビールの商品性もさることながら、それらのイメージ作りが成功してブランドチェンジを起こした例です。

そのためにアサヒビールは、ビンから缶への商品シフト、酒屋さんからコンビニへの販売網シフト、量販店への値引き販売など様々な策を実施しています。

ビール好きにとっては面白い本かも。

今日もお読みいただきありがとうございました。

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2016-09-20 | Posted in blogNo Comments »