インタビュー企画第9回 株式会社MASUKO代表取締役 増子慶久さん
インタビュー企画第9回は 株式会社MASUKO代表取締役 増子慶久さんにお話を伺いました。
<増子慶久さんプロフィール>
1967年東京生まれ。
中小企業診断士 マーケティング経理プロデューサー。
小規模事業者専門の経営コンサルタント。
現在は、「ビジョン共感型経営計画書」の作成を通じて、
業績向上を支援する活動を行っている。
また、経理の力で 黒字経営の仕組み化を実現するメソッド
「マーケティング経理」の提唱者であり、 経理の仕組み改善や、
経理スタッフ・起業家の育成支援に も力を入れている。
「“‘財務”で現状を客観的に分析し、“コーチング”で 未来を描き、
“コンサルティング”で改善プロセスを提案する」
という一貫性のある独自のコンサルティング スタイルが、
経営者の納得感・安心感を高め、
97%のクライアントが複数年契約を結ぶなど信頼と評価を得ている。
株式会社MASUKOのウェブサイトはこちらhttp://masuko-mc.co.jp/
まずはコンサルタント増子さんのルーツをさぐりたいと思います。
小さい頃はどんなお子さんでしたか?
私は東京の葛飾区で生まれ育ちました。
その頃は家の周りは緑がいっぱい残っていましたから、
夏は毎日虫かごを持って走り回っていましたね。
小学校の頃は相撲が好きで、友達と朝から自転車で蔵前国技館までよく行きました。
こっそり支度部屋に潜り込んで、先代貴乃花から叱られたこともありました(笑
ご家族、とくにお父様はどんな方でいらっしゃったんですか?
父は新聞の印刷会社で、記事の執筆や写植編集をやっていました。
職人気質で無口なタイプですが、その分怒った時は怖かったです。
あまり家庭を顧みることなく、ストイックなほど真面目に働く父に、
「何のためにそんなに 働くのか?」と、
中高時代には反抗してしまうところもありました。
今考えると、中学とか高校の頃は父だけでなく、
世の中全体に対して不満とか反抗心を持った子供でしたね。
尾崎豊の歌にとても共感したりしていました。
今の増子さんの御優しい雰囲気からは想像できないです。
お考えが変わった・・・つまり、成長をご自分で感じられたのはいつ頃ですか?
それまで仕事命だった父が定年で毎日自宅にいるようになり、
その背中を見ていたら、ちょっと寂しげで小さく見えたんです。
あんなに一生懸命働いてきたのに、かわいそう、何とか元気づけたい!
と思うようになりました。
その時が私の成長のきっかけだったと思います。
病を抱えていても弱音一つはかず、いつも明るく元気に家庭を灯し続けてくれた母にも
恩返ししたいという気持ちも強かったですね。
これからは私が家族を守りたい、助けたいという大人の自覚、
というか責任感みたいなものが芽生えた時期でした。
そこで、就職したらお金を貯めて、狭い団地住まいから脱却して、
皆が伸び伸び暮らせるようなマイホームを買おうと決めたんです。
素晴らしいですね。
また、“自分が元気づけたい”というお言葉に、今のお仕事に通じる増子さんの想いを感じます。
ありがとうございます。
それで、社会人 4 年目でローンを組んで郊外に家を購入しました。
農園を借りて野菜作りに勤しむ父や、庭で園芸に励む母を見て、
新しい生き甲斐を見つけてくれたんだな、とても嬉しく思いました。
振り返ると、青春時代のあの反抗って何だったんだろうという感じですね(笑
思春期のころ、悩まれたり、落ち込んだりしたからこそ、優しい心が育まれたのですね。
中高時代のことももうすこしお聞かせ頂けますか?
中学時代は卓球に夢中になっていました。
ちょうど金八先生の放映が始まった頃で、
あの番組同様、うちの中学も荒れた中学でした。
いわゆるツッパリという不良生徒達がいたのですが、彼らの多くがなぜか卓球好き。
休日は、彼らと児童館や卓球場などで賑やかに打ち合っていたのが楽しい思い出です。
不良生徒といっても、根っからの悪はいない、
自分を表現するのが下手だからつっぱっているだけ。
私自身は真面目タイプの生徒でしたが、
特に勉強ができるわけでも運動ができるわけでもありませんでした。
そんな不器用な連中が、エネルギーを発散する場が卓球だったのかもしれません。
現在のクライアント先の社長が、切れ者タイプより不器用タイプが多いのは、
たぶん私が不器用タイプの人に魅力を感じるからかもしれませんね。
高校時代は、一転暗かったです(笑
何かに打ち込むでもなく、「人生とは?」とか「人は何のために生きる?」みたいなことを、
ひたすら考えていた 3年間でした。
漠然とした不安や悩みが押し寄せるなかで、その解決方法がわからなかったんですね。
今、コンサルタントとしてご活躍の増子さんにとっては、
目の前に自分で解決できない悩みがあるということは人一倍辛かったと思います。
そうですね。辛いというよりも、先の見えない不安の中、
懸命にもがいていた時期だったかもしれません。
でも、その中で一つだけ気付いたことがあります。
それは「人は幸せになるために生きる」ということです。
たぶん高校 3 年生ぐらいだったと思いますが、自分にとっては大発見でした。
幸せになるというゴールがハッキリしたのは、
いろいろ悩んだからこそ気付けた成果だったと思います。
でも、「そもそも幸せって何なのか?」、
「そうすれば幸せになれるのか?」といったことは 依然わかりませんでした。
16 や 17 の子供にそれを求めても無理ですよね(笑
その辺の葛藤が、今思うと「悩みを解決して経営上の不安を取り払う」
という今の仕事の 使命に引き継がれているのかもしれません。
少しずつ、問題解決や何かを改善するということに興味を持ち始めまめ、
大学では、商学 部で会計学を専攻しました。
お金について学んで、社会に出てちゃんと稼げるようになりたい、という気持ちもありましたね。
また、学業の傍ら、様々なアルバイトにも精を出しました。
土建屋、ファミレス、商品の入出庫管理、通販受付、煎餅屋、
DM発送等々、様々な業種 の仕事を直に知ることができたのはとてもいい経験でした。
大学四年のとき会計事務所でアルバイトさせてもらっていたんですが、
そこにそのまま就職しました。
その会計事務所ではどのような業務をされていたのでしょうか?
中小企業の経理指導、税務相談、決算、申告などの業務をしていました。
延べ 1000 件以上の決算書作成に関わり、様々な業種、
業態のビジネスモデルや成功事例を学ぶことができたのが私にとっての財産となっています。
安定的に仕事が入ってくるので所員としてはきちんと仕事をさせていただいていましたが、
やはり不況の波の中で考えを変えなければいけない場面もありました。
会社の決算や税金計算は過去と向き合う仕事なんですね。
でも私は会社の未来と向き合いたかった。
経営状況が右上がりであれば、節税の案件などはとてもやりがいがあって面白かったのですが、
働き出して5年ほどでバブルも弾け、その後リーマンショックもありましたよね。
利益が沢山出ない限り節税対策なんてあまり必要ないわけです。
なるほど。決算書制作を通じで会社の数字に強くなる一方で、そこから見えて来る
今の時代ならではの問題に気付かれたのですね。
そうですね。時代の流れの中で、
これからは財務をベースに置きながら
会社の業績を上げるサポートをしていかなくてはいけないと痛感することが増えました。
担当している会社の社長さんとは本当に良いお付き合いをさせて頂き、
また人格的にも優れた方が本当に多かったんです。
もっと会社を応援したい、社長さんの相談役になり、
売上向上や社員教育などもっと会社に貢献したい。
その想いはやがて経営コンサルタントになりたいという目標になりました。
勉強を重ねる中で気付いたのは、今の時代にとって価値のある仕事、
お客様に喜んで頂ける仕事というのは、今まで通りの仕事ではないということです。
時代のニーズに合わせて自分の仕事を創造していかなければいけない。
その想いの結果が、今行っている“財務を切り口とした経営コンサルティング”なんです。
現在の事業や想いについて、ぜひ詳しく御聞かせ下さい。
私の経営コンサルティングでは、
『‘財務”で現状を客観的に分析し、“コーチング”で未来を描き、“コンサルティング”で 改善プロセスを提案する』
というスタイルを採っています。
具体的には、
・資金繰りや、商品別
・顧客別等の損益分析など“財務”で会社が置かれている現状を把 握し
・様々な視点から質問して、社長が望む未来を明確にする“コーチング”で理念やビジョンを言語化します。
・その上で、問題点の抽出と改善策、改善プロセスを提案する“コンサルティング”を実施します。
長年、会計事務所で働いてきた経験からわかったことですが、
中小企業の社長は、「自分一 人で何とかしなければいけない」
と必要以上に自分にプレッシャーをかけてしまう方が多いのです。
また、今までのやり方を変えられない、
変えるきっかけが掴めないという方も多くいらっしゃいます。
確かに経営者とは孤独なものなのかもしれません。
しかし、だからこそ一度、会社外の人間である私に相談してほしいと思うんです。
業績が良くないのを景気や値下げ競争のせいにしてしまったりしていると、
・この会社をどうしたいのか?
・自分はどう経営していきたいのか?
という前向きな未来の姿を見失ってしまいます。
私は社長さんが抱える悩みや未来へのイメージをちゃんと共有したいと思っています。
多面的にコンサルティングを行っているんですね。
財務上の数字で表される客観的なゴールと、
社長さんの心が満たされるマインド面のゴールを重ねた上でご提案するのが
「ビジョン共感型経営計画書」です。
これは、会社のあるべき姿から個々の行動計画まで、
アルバイトで働く人でも理解、実行 できるようストーリー仕立てで作っています。
よく経営コンサルティングというと、
「ああして下さい」「こうして下さい」とルールが書 いてある資料を渡して、
その通りにやってもらうことを一方的に要求するようなものもありますよね。
でも私は、社長さんや従業員の方々それぞれが納得して、
行動してくれないと会社は良く ならないと思っています。
今自分が働いている会社には何が必要で、
その為に自分が何をすべきかを具体的に知ってもらうことが大切です。
自分が会社の経営に関わっているという意識がとても重要なんですね。
そうですね。たとえアルバイトでも、自分の立てた売り上げが会社にどれだけ
貢献しているかが、実感できたらやる気も上がりますよね。
なにより自分が会社に必要とされているという事が感じられると思います。
その通りです。
そしてその意識を持ってもらうためには、
社長はもっとスタッフのことを知らなくてはいけないのです。
スタッフの持っている夢や希望について、耳を傾ける心の余裕が必要です。
会社の主役はスタッフであるという意識を持って頂きたいですね。
売上のこと、経営のことで頭がいっぱいで疲弊してしまうような時こそ
経営コンサルタン トに悩みを相談して心にゆとりを持ってほしい。
私はそう思いながら仕事をしています。
気持ちが変われば行動も変わる。
今まで担当させていただいた会社様の中にも、
意識の改善で目を見張るような業績を上げてくれる方が多くいらっしゃいました。
こういう経験は、仕事へのやりがいを感じますね。
増子さんの幼少期からのストーリーを聞かせて頂くと、
過去がキチンと未来に結実していることを感じます。
私自身の過去を振り返ると、
なかなか悩みを相談できなかったり、
解決策を自分だけでは見いだせなかったりした経験があるんですね。
先の見えない悩みを抱える苦しさを知っているからこそ、
心から親身になって仕事ができるのだと思います。
最後に経営者の皆様へメッセージを御願い致します。
私は中小企業の社長さんに、自信を持ってもらいたいです。
そのためには、今の場所から少し高い見晴らしのいい場所に私と一緒に登って、
新しい景色を見ていただきたいのです。
今、あなたが見ている景色が全てではありません。
・次々に生じる問題に振り回されている社長
・半年先の経営状況が見えずに不安に感じている社長
・自社のお金の流れがどうなっているのかわからない社長
・社員との距離感を感じている社長
・経営者としてワクワクするビジョンが描けない社長
そんな社長さんに経営改善のレシピをお渡しするのが私の仕事です。
方法は簡単。会社の潜在的な強みを引き出し、
言葉化してスタッフや顧客に伝え続けることです。
これができれば、業績は向上します。
そして、いつも見晴らしのいい場所から自社を眺めることができ、
時間に追われず経営者 本来の仕事に取り組むことができるようになります。
私は、そのお手伝いをすることができます。
幸せな会社を作るために、私と一緒にまず、初めの一歩を踏み出しましょう。
増子さん、ありがとうございました!
株式会社MASUKOのウェブサイトはこちらhttp://masuko-mc.co.jp/