起業家支援に命を懸ける会計士の梅川さんの記事【個人事業で福利厚生費はありか?】

お早うございます。

起業家支援に命を懸ける会計士の梅川です。

今年も確定申告のシーズンに入っています。

毎日10人くらいの個人事業者のご相談に応じています。

これから申告を行おうという方の最大の悩みは、

「どこまで経費として認められるか?」

に尽きます。

もちろんメルマガで何度も書いてきましたが、税務署が経費を認めるわけではありま
せん。

経費かどうかは、事業に関連性があるかどうかです。

同じ飲食代でも、飲食店経営者が「研究・視察」のために他の飲食店で実際に飲食す
るのは当然経費です。

使ったお金の領収書が、事業に関連しているかどうかは使った本人にしかわかりませ
ん。

判断するのは事業主自身です。

それでは、会社の事業には直接は関係がない「福利厚生費」は個人事業でも認められ
るのか。

「社会通念上妥当」であれば個人事業でも経費として認めるというのが判例です。

しかしこの判断が難しい。

国税の見解は、家族だけの個人経営では原則認められないというものです。

たとえば、事業主である本人と仕事を手伝っている事業専従者である妻が二人で「慰
安旅行」に行ってもそれは経費とならないということです。

また事業主がフィットネスクラブに行っても経費として落とせないということだそう
です。

もちろん税法のどこを探してもそのような個別具体的なことは記載されていません。

あくまでも「解釈の問題」です。

たしかに個人事業の場合は、財布が事業もプライベートも同じだから、どこかで「線
引き」が必要なのはわかりますが。

ところで先日驚くべき申告書を見ました。

今回から、私どもに確定申告の作成を依頼してきた女性の作家の方でした。

昨年提出した青色決算書を拝見したところ、堂々と福利厚生費が数十万円計上されて
いるではないですか。

その方に、「申告書の福利厚生費の内容はどのようなものですか」と尋ねたところ、

家族の慰安旅行を2回分、そして毎日のように買うお菓子代ということでした。

驚いた私は、おもわず「これは必要経費としては認められないものですよ」。

ところが、その女性は、昨年の税務署での相談会で領収書をゴソッと持って行って、

「この海外旅行の領収書は何という科目にしますか?」

と尋ねたところ、

「それは福利厚生費ですね」と言われたのでそのように書きましたとのこと。

確かに、経費かどうかは「解釈」の問題ですし、本人が経費であると主張するのを税
務署は基本的には受け入れなければなりません。

税務署の職員にも「個人差」があるのも当然です。

経費は金額的に妥当な水準であれば、「計上したもの勝ち」かもしれません。

もちろん、あとは自己責任で!

今日もお読みいただきありがとうございました。

梅川公認会計士・税理士事務所
千代田区 経理&記帳代行センター
Q-TAX 飯田橋東口店

2016-02-11 | Posted in blogNo Comments »