インタビュー企画第12回トリプルヒューマン株式会社 為井 清美さん インタビュー
インタビュー企画第12回は、トリプルヒューマン株式会社 為井清美さんにお話を伺いました。
<トリプルヒューマン株式会社 為井 清美さん プロフィール>
血流の滞ったコミュケーション不全の職場でご自身もがんばりすぎ、部下にもがんばらせていませんか?
笑顔と信頼関係のあふれる職場でメンバーの成長と組織の成果の両方を手にいれる方法があります。
「営業マネージャー」×「プロコーチ」の私にお任せください!
株式会社リコー、セコム株式会社で25年以上
中央官庁、大手企業、中小企業等の法人営業、個人向け営業として店長、エリアマネージャーという組織長として部下を育成、組織運営の経験。
プロコーチとして、コーチ養成機関「コーチエィ」にてCTP(コーチトレーニングプログラム)、
CTIにて基礎コース〜上級コースを修了し、社内コーチとしての経験、実績。
社員研修のプログラムを策定、実施の実績。
トリプルヒューマン株式会社を立ち上げ、個人〜チーム〜組織の共感協働サークルをつくる
短時間+継続で「わかる」から「できる」になる定着プログラムを提供中。
・自分と仲間を活かす 体感型研修
・リーダーとしての「在り方」「行動」を身につける 継続型研修
・軽やかな心と行動で成果をあげる なでしこ研修
国際コーチ連盟認定コーチ(ACC)
国際コーチ連盟日本支部運営委員
NPO法人 企業内コーチコミュニティ運営委員
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為井さん本日は宜しくお願い致します。
まずは小さい頃のお話から聞かせて頂けますでしょうか?
私は東京都の調布市で生まれました。実家は床屋さんで、理容師として一生懸命働く両親の元で育ちました。
小学校低学年の頃は喘息があり、読書好きの、ひ弱な子供でした。
しかし高学年で喘息が治り、体力がついてくると、だんだんとリーダーシップを取れるようになり、
いつしか学級委員に立候補するほど積極的な子になっていました。
将来の夢などはいつ頃から芽生えてきましたか?
私はずっと教師になりたかったので、大学時代には教員免許を取るため、教育実習にも行きました。
しかし当時は学校が荒れている時代で・・・それこそ生徒が暴力事件を起こして先生が警察に行くなんてことも、しょっちゅうありました。
私は中学校に教育実習に行ったのですが、目の当たりにした先生と生徒の関係には、がっかりしてしまいました。
先生は生徒の意見を全く聞き入れないのです。最初から話し合う気持ちもなく、ただ上から押さえつけるような教育をしている様に見えました。
このまま教師になったら「いつの間にか傲慢な人間になってしまうのではないか」と感じて、民間企業に就職することにしました。
最初に就職なさった会社では、どんなお仕事をされていたのでしょうか?
私が大学卒業後に就職したのは株式会社リコーという会社でした。日本の事務機器、光学機器などの製造を行っているメーカーです。
男女雇用機会均等法が施行された初年度の年で、350人の同期の中でたった2人だけの女性営業職として配属されました。
私のお客さまは主に御役所でしたので、官公庁や政党などに事務機器を販売しました。
インターネットが無い時代でしたから、1台1000万円くらいする通信機器の予算組みをしたり。
御役所は3月に予算を使い切るので、秋から仕事がどんどん忙しくなり、3月31日の最終納品日の前にはトラックの取り合いをするような、
体育会系の部署でした(笑
一般企業と違い、御役所は来年度からの予算取りなので、どの会計から何を買うかなどの調整をするのが難しくもあり、面白くもありましたね。
今では入札などが一般的で、特定の企業との癒着を避ける為に営業努力は殆ど通用しなくなっていますが、
当時は御役所とのお仕事でも営業努力が実ったので、お客様とのコミュニケーションを大切に仕事を頑張っていました。
御若くして、がむしゃらにお仕事に向き合う事、営業職として大きな予算を任されることを経験されたのですね。
そうですね。扱う金額はとても大きかったです。大きすぎるくらいでした。
6年間リコーで働き、年間3億円近くの予算を任されるようになった頃、「頑張ったな、もうやりきったな」という気持ちになりました。
今思えば5、6年くらいで何を言っているんだと、自分に喝を入れるのですが(笑
ただその当時は決意が固く、会社を辞めました。
20代で3億円規模のお仕事を任されるなんて、大変なことです。
燃え尽きてしまったような気持ちになられたのかもしれませんね。
そうですね。しばらくはゆっくり過ごして、
新しく就職するならそんなに忙しくない会社がいいな、なんて思っていました。
そんな時にセキュリティ会社であるセコム株式会社の店舗で働くという求人を見つけて、
お客様にお茶を飲みながらお話するような気楽な仕事だろうと思って応募したんです。
当時、急速に利用者が増えてきていたホームセキュリティのショールームのような拠点で働くことになりました。
無事に採用されたのも束の間、当時のホームセキュリティの拠点は全国で10店舗ほどだった規模を一気に100店舗近くにまで
拡大していった時期で営業としての実績を求められる部署になり、私もその上昇気流に巻き込まれるようにしてどんどん昇進し、部下ができ・・・。
気付けば事務職を取り仕切る立場になっていました。
前職で経験を積まれた営業職につきたい、という希望はなかったのでしょうか?
そうですね。事務には事務の大変さとやりがいがありましたから、
自ら進んで、という訳ではなかったのですが、
7年間事務職のトップとして働く中である時、営業部長に
「社内で働いている事務職に営業の大変さがわからない」と言われたことに
反発して「事務職も営業職もキチンとやる人はやりますよ」と啖呵を切って
個人のお客様に対する営業経験はありませんでしたが、
営業職に職種変更することになりました。
はじめてみて如何でしたか?御役所への営業と、個人のお客様の営業では、
金額もプロセスも違ったのではないでしょうか?
確かに最初は少額の契約だったのでやる気がでませんでした。
以前はお役所を相手に、3億円近い予算で仕事をやっていましたから。
しかし個人のお客様は会社のお金ではなく、自腹を切って契約して下さるのだということを実感すると、
やがて取り組み方も変わっていきました。金額が違ってもそのプロセスは実は変わらないのだということも知りました。
そして事務職を取り仕切る立場から営業職に異動したからには、恥ずかしい成績は残せないと感じていました。
半年間休み無しで働き、営業成績はすぐにトップクラスにになりました。
嬉しい気持ちもありましたが、ホッとしたのが本音です。
そしてこの時に営業としての管理職に就くことになり、部下を抱えるようになりました。
その当時、ご自分はどんな上司だったと思いますか?
当時は自分が頑張っていると言う自負があるからこそ人にも厳しくて。
指示命令系の上司だったと思います。
成績が悪いくせに休むな、という態度でしたし、いつもイライラしてしました。
チームの成績は確かに良かったですが、人間関係は良くなかったと思います。
成績が上がらない部下がいたら「営業には向かない」というレッテルを貼って異動させました。
優秀な人を集めたかったんです。
完璧な人が欲しくて「人を育てる」と言う気持ちがなかったんですね。
しかし実際に優秀な人材が来ると、体育会系の「こうやればいいんだ」「見て覚えるんだ」
という指示命令をすると、その行動に対する理由やロジックを求められるようになりました。
このままの自分のやり方ではこの先誰もついてこないと感じ、
精神的にも体力的も徐々に追い詰められて行きました。
そこから変わるキッカケはどんな所にあったのでしょうか?
そのころ、田園調布のロータリーの真ん前に新しくセコムの店舗ができることになりました。
そのオープン時の店長に抜擢されたんです。
高級住宅地である田園調布。失敗は許されないという状況でした。
就任すると新しい部下が増え、人を育てることにいよいよ力を入れなくてはいけなくなりました。
そして統轄店長になるときにコーチングを学ぼうと決意したのです。
ここに、今に繋がるコーチングとの出会いがあったのですね。
電話会議システムでコーチングを学ぶ事ができたので、働きながら時間をみつけて家で勉強しました。
私は始めにビジネスに特化したコーチ養成機関で学びました。
コーチングは「目標を設定し、現状を把握し、その差を埋めて行く」ということが大きな流れになります。
そこでまず部下に目標設定を毎日送ってもらい、そのフィードバックを毎日するようにしました。
1年半、毎日です。売り上げは35%アップして、エリアの評価はとても良くなりました。
ところが、私のやり方についてこれるひと、これない人が出てきました。
成績は伸びたけど人間関係が悪くなっている。
これを改善するために、今度は人に焦点を当てたコーチングを学ぶ事にしました。
ビジネスのコーチングだけでなく、人に焦点を当てたコーチングも学ばれたのですね。
人との向き合い方や、コミュニケーションについて学ぶということでしょうか?
そうですね。
自己基盤を見つめ直し、今に焦点を当て、本質的に変化することは可能であり、
人が持っている力を信じるということを学びました。
私自身、心や考え方が変わるような体験をさせて貰いました。
ライフに焦点を当てたコーチング。どのように会社に生かすチャンスが訪れたのでしょう?
そのとき名古屋に転勤する話を頂いて、今までと違うやり方で、新しく始められる良いチャンスだと思いました。
コーチングの勉強をして4~5年たち、名古屋でこれを試してみたいと言う気持ちで出発しました。
名古屋には1~2度降りた程度で土地柄のことも良く知らなくて、不安も少しありましたけれど、
今まで経験した失敗や学んできたことをどこまで活かせるか試してみようと決意しました。
実際に名古屋での生活、お仕事はいかがでしたか?
最初は部下が皆やたらに礼儀正しくて、なんでなんだろう?と思っていたんです。
実はその店舗には、10年前の、自分が指示命令系の上司だったときに部下だった男性社員が働いていたのです。
彼は私が「やる気が無いなら去れ」といって異動となった部下だったんです(笑
当然、彼は「とんでもないマネージャーが来るぞ」と私の事を事前に吹聴してたそうです。
それはお互いにビックリしましたね。
そのような雰囲気のなかでコーチングの成果は上手く出せたのでしょうか?
そもそも私が異動する前から、名古屋の店舗では上司と部下の折り合いが悪く、成績もボロボロという状態でした。
そこで私がエリアマネージャーと店舗の店長を兼任することになり、直接部下と話せる環境、
つまりコーチングの成果が出せるであろう環境はすぐにできました。
エリアマネージャーと店長の兼任を聞いた時は「無理でしょ~」と思いましたが、
始めてみると部下と直接話せる環境というのは反応がダイレクトでとても有難かった。
部下とは「成績を上げるにはどうする?」ではなく、「最高の職場環境にするにはどうしたらいい?」というテーマで
アイディアを出し合って実行しました。
するともともと土壌がいい名古屋での成績は1ヶ月でみるみる回復していきました。
そんなに早く結果がでるものなんですね!驚きです。
大切なのは意識が変わることなんです。
会社から振り分けられる目標ではなく、個人の目標を提示させて、どんどんコミットしていきました。
半年をすぎると上昇のスパイラルは安定して、60店舗中下位1割だった成績が1位になりました。
毎月、20日には目標達成しまうので、残りの10日は重要だけれど手付かずなことを自分たちのペースでできました。
名古屋に居たのは1年半だけなのですが、まず1年で最優秀店舗として表彰されました。
2年目に後任が来てからも、同じく最優秀店舗になったのを見届け、私はついにセコムを退社しました。
いよいよ起業を決意されたのですね。
やりたい事は人材育成、コーチングだと言う事はわかっていましたから、
名古屋では仕事とは別に、部下から希望があればコーチング面談をするということをはじめていました。
そこで個人のコーチングのトレーニングをしていたわけです。
そして有休消化が明けてすぐ、2015年2月に会社を立ち上げました。
辞める時に迷いはありませんでしたか?
最初は自信がなかったり、これからどうなるかなとか、心配もありました。
でも今は良い意味で吹っ切れています。なるようになる、と。
20年以上働いた会社では自分の先が見えてしまったのです。
私はその、見えてしまった石の橋を壊したくなったんだと思います。
なにもないところで生きたいと感じていました。
今はなにをやってもいいし、興味があるところにすぐに行けるのが嬉しいです。
凄く気持ちが楽になりました。
コーチとして社長として、為井さんが社会に伝えていきたいこととは、なんでしょうか?
「リーダーが変われば組織が変わる」ということです。
それを企業に伝えていきたい。株式会社にしたのは「企業」ときちんとお付き合いしたいからなんです。
為井さんの人材育成、コーチングの強みを教えて下さい。
自分の成功体験の押しつけから頭を切り替えて、リーダーとしての在り方、やり方を「継続して学べる」カリキュラムを作れるのが
私の強みです。
ラウンドレッスンと称して、1回や2回で終るプログラムではなく、継続して半年以上受けて頂くのが特徴です。
本当にその企業に伸びてほしいと思ったら、長くお付き合いすることが不可欠だと思っています。
これから力を入れて取り組まれたいことはありますか?
今後、増えるであろう女性管理職育成サポートプログラムに力を入れたいです。
現状まだ女性管理職の経験者が少ない中で、
やりかた次第で担当者よりもマネージャーのほうが楽しい、ということを率先して教えてあげたいですね。
管理職にはちゃんとメリットがあることを伝えたいのです。
女性を活用することが必要となった男性管理職の方々からセクハラ、パワハラ、マタハラなどに
どうやって対応すれば良いのかのやりにくさも聞いています。
その辺りにも役立つ研修を提供して行きたいですね。
起業なさってからのこの半年で、どのように営業活動をなさっていますか?
今は知人の紹介がメインですね。
有難いことに、損害保険会社、製造メーカー、IT企業様から研修やエグゼクティブコーチングのお仕事を頂いています。
勿論、これから一般の方からもオーダーが来るようにしたいです。
価値観や年齢や育った環境が違う人たちが一緒に仕事をする職場は増えていく一方ですから
ご提案先は無限かもしれませんが、まだまだお伝えしきれていません。
広い視野をもって営業活動をしていきたいです。
今、起業のリーダーに一番伝えたい事とはなんでしょうか?
リーダーに御伝えしたい事。それは自己開示をすることと、
真剣にはなってほしいけど、深刻になりすぎないこと。
深刻になっても成果は上がらないですから。
コーチングを通じてご自身が変わったと実感したことはございましたか?
コーチングを通じて一番私が変わった事は、人の可能性を信じることができるようになったことです。
最初から、できないとか無理だとか、思わない事です。
結果でだけでなく、プロセスも重要視できるようにもなりました。
これからご自分の会社をどんな風に成長させたいですか?
企業の役に立ちたいのは勿論ですが、
スキルと経験を兼ね備えたコーチ達を、自分と契約して下さった企業にゲスト講師として呼びたいですね。
例えば
1、「自分の強みを見つける」
2、「レゴブロックを使って自己開示し、成功のイメージをつくる」
3、「コーチングを職場で実践する」
この3つがセットになった研修を作ったりしています。各回の特徴に合わせてゲスト講師に協力して頂いています。
私以外のコーチがセミナーをやる機会を持つことで、コーチにも企業にもメリットがありますから。
そういう人と人とを繋いでいく役割もしていきたいと思っています。
企業の人材開発部のアウトソーシングのような存在として、継続的に関われたら嬉しいです。
インタビュー記事を通じて為井さんに研修やコーチングを御願いしたい!という企業さん、個人さんがいらした場合、
どこにご連絡すれば良いでしょうか?
研修は企業それぞれに合わせて作っていくため、お話を聞かせて頂くところから始まります。
コーチングは相性も大事ですから、最初は面談を申し込んで頂くことになります。
企業は勿論、個人のコーチングも承りますのでまずは下記websiteからお問い合わせ下さい。
セミナー情報などもありましたらぜひ教えて下さい。
トリプルヒューマンでは、仕事に役立つシリーズのセミナーを月1回開催しています。
11月は下記のセミナーを開催します。
【THセミナー5】仕事で活かせるファシリテーショングラフィック」のイベントページのURLは
http://kokucheese.com/event/index/340892/
です!ご参加御待ちしております。
為井さん、ありがとうございました!